はじめまして、石川県金沢市ではんこ屋を営んでいる塩屋といいます。
最初にこのサイトをご覧いただきましてありがとうございます!
私は全国で一つしかない横浜に在る神奈川県印章高等職業訓練校で印鑑を彫刻する技術と学科をご指導いただきました。
子供の頃から仕事をしている父の背中を見ていましたが、その頃は ただ 「地味な仕事だな・・・・」 と思っていました。
また、家業を継ぐ事など全く考えていませんでした。小学生の頃は永井 豪先生の作品に憧れていたのでデビルマンをよく書いていました。年齢がバレバレですね・・・(笑)
そう考えれば、その頃から一人で何かを作る事が好きだったのかもしれません。
はんこ屋になろうと意識しはじめたのは、高校生になった頃 何かしら 「手に職をつけたい」 と思うようになり前述の印章高等職業訓練校にお世話になる事になりました。
でも、不器用であまい考えの私がハンコを彫れるようになれるまでにはとても苦労しました・・・(汗)
はんこを彫る以前の問題ばかりで挫折の繰り返しでした。 正直、金沢に帰ろうと思った事もあります。(笑)
横浜(上大岡)の事業所に大変お世話になりながら週末は当時、鶴見区にあった訓練校に京浜急行で通いました。(今想えば懐かしい限りです。)
彫刻刀、砥石、篆刻台、筆、硯、墨・・・といった、ハンコを彫る道具でパンパンに重くなったスポーツバックを持って行き帰りしました。(汗)
そんな私が一番苦労したのが道具を作ることでした。先ず、彫刻刀が全く研げません。・・・・苦労しました。
左に彫刻刀の写真があります。当然ですが、この刃先を自分で研ぐわけです。全くできませんでした・・・・
砥石にピッタリ刃先を当てる事ができず、自分の指先の皮を何度も何度も擦り出血しました。
皮膚が元通りになる間もなく自宅で彫刻刃を研ぐ練習です。そしてまた血が出ます。これの繰り返しでしたね・・・・そういう時期がしばらく続きました。 手ではんこを彫るなんてイメージさえできませんでした・・・・
訓練校で指導される先生は皆さん印章店の主です。(大先輩でもあります)
最初、一番困惑したのが先生方お一人お一人の説明が違っている事でした。(時間が経ってから、全て同じ事だと気づきました。)
ゴールは同じなのですが皆さんの手段が違うので 「えっ?」 と思う事がよくありましたね。
不思議なもので道具(彫刻刀)が研げるようになってくると、ハンコも少しづつですが彫れるようになってきました。
もちろん最初のうちは大きなサイズに一文字程度でしたが、自分で研いだ彫刻刀で彫るわけですので切れ味という点ではまだまだという感じでした・・・・
一文字だったのが二文字になり彫刻する丸のサイズも小さくなっていくうちに不思議と彫刻刀も切れるようになってきました。
時間の経過と共に彫刻刀が自分の手になじむように思えてきました。 そうなると今までつらかった事が少しづつ楽しくなっていきました。
それでも出来上がった作品を先生に見ていただき指導を受ける際には修正、修正の繰り返しです。文字数が多くなるとバランスだったり、線の太さだったりと注意の連続です・・・・
印章彫刻で一番大切な事は 「文字を書く事、つまり習字です。」 特にハンコに用いる篆書体は必須です。習字が重要である事は先生皆さんおっしゃっていました。
もちろん彫刻技術も重要なのですが、最終的に人の手で書いたように文字に抑揚を出してあげなくてはいけません。(抑揚:文字の線質に強弱をつける意味です)
例えば一本のヨコ線を書くとイメージして下さいね。 篆書体の場合、左から右方向に線をひくのが一般的ですが、最初に筆を置く箇所(起筆:きひつ)は一番力の入るところなので太目になります。
中間の部分(送筆:そうひつ)はやや力を抜くので起筆より気持ちですが細く一定の太さなると思います。最後に筆を抜く箇所(収筆:しゅうひつ)は力をフッと抜きながら筆先を収めます。
上記は感覚的でイメージし辛いと思いますが、ザックリ言うとゴシック体の様に定規をあてがったようにタテの線もヨコの線も同じ太さになってはならないという意味です。
つまり生きた文字にする事が重要なんです。 この部分が無資格者が流れ作業的にレーザーロボットで彫りあげてしまうハンコとは全く違うわけです。
価値観は人それぞれですので極端に安価に、しかも早く購入できる方を優先されるのもいいと思います。ただし、それがあなたにとって生涯大切にご使用になる実印だとしたら今一度考え直した方が良いと思いますよ。
あなたはもちろん、私から見ても特に通販では 「何でこんなに早くて安くハンコができるの・・・?」 と 驚く事が多々あります。 「手彫り印鑑翌日発送!」 には呆れて笑ってしまいました。(笑) 「先ず無理です。」
ただこのご時世ですのでHPの綺麗な写真やデザイン、いい加減な文章についつい気持ちが引き寄せられるのでしょうね・・・実店舗へ出向かなくても 「ポチ!」 とするだけで翌日に届くのは魅力ですよね。
1円でも安い物を購入するならやはりネットが一番ですが、ハンコの場合注文して出来上がってくるものは人の手が一切はっていないものでしょう。(大量生産された流れ作業によるものです)
あなたが普段書かれる文字はあなたしか書く事ができません。同じ筆跡はこの世に二つとないわけです。それと同じで印鑑も注文したものなら同じように見えたとしても指紋と同じで唯一無二となるわけです。
しかし、無資格者は手で彫る技術がないため、お客様から受けた注文は 「ポチ!」 とするだけで出来てしまうわけです。 つまり、お客さんも 「ポチ!」作る方も「ポチ!」 で事が済むわけです。(笑) 「早い!・安い!」 のはずですよね~
もちろん、そういう事を納得されたうえで購入するのなら問題はないのですが、いかがでしょうか・・・?
さて、一言でハンコといっても実印、銀行印そして認印や会社の印鑑など沢山ありますよね。
今、あなたが必要になっているものは何にご使用なさいますか?
それによって丸の大きさ、素材そして彫刻する文字の書体などをお考えになった事はございますか?
このように必要になって購入するのが印鑑ですが、意外と解り難い点が多いですよね・・・
このサイトはそういう貴方のお悩みを少しでも解消できれば幸いと思っています。
もし、お時間がございましたらどうぞお立ち寄りくださいね。
金沢市のはんこ屋は彫刻刀で彫らせていただくのでオンリーワンの印鑑になりますよ。
皆さんはハンコは彫刻刀で彫る事が当然だと思われるでしょうが、はんこ屋であっても彫刻刀を扱えない人は大勢います。
先にもお伝えしましたが私は横浜に在る神奈川県印章職業高等訓練学校で印鑑を彫る技術と知識を学びました。
これをお読みになっているあなたももイメージして頂ければ解りますように、ハンコを彫る場合、当然それを彫る道具が必要になりますよね。
(※例えば美容室のお仕事でしたらハサミ、大工さんでしたらノミやカンナといったように職業は異なっても物を創りあげるには必ず専門の道具が必要になります)
はんこを彫るにしても、先ず彫刻刀が使えない事には何にもなりません。ただ、この刃金は自分自身で砥石(といし)で研いで作るものなのです。
当時、徹底的に教わったのがこの彫刻刀の【※刃付け作業】(※刃金を切れるまで研ぐ作業)です。
砥石の表面に水を浸し、何十回~何百回と彫刻刀を研ぐわけですが 初めての者には気の遠くなる作業です。
事実、指先の皮がむけて血を出しながら研いでいました。
話は長くなりましたが、私がお伝えしたいのは、もし、これをご覧になった貴方が、
オンリーワンの印鑑になさりたいのでしたらこの彫刻刀を使用できる印章店で購入される事をお薦めいたします。
なぜなら、ただ安い早いだけを謳った業者は【レーザーロボット印鑑】なので、パターン化されてしまうだけなのです。
簡単にいえば安く買えたは良いけど、市販のハンコを買っているようなものですね。(笑)
激安店というのは作業の回転率を最も重視しますので剥離多売の仕事になるのは当然です。
また、この仕事に携わる人は、彫刻刀を使用できないと思います。
つまりハンコを彫る技術は皆無です。
今、あなたが求められる印鑑はおそらく重要なものだと思います。
もちろん、どこで購入しようがあなたのご自由ですが生涯ご使用されようと思うのであれば、
彫刻刀をつかえる印章店でお考えになってはいかがでしょうか・・・?
【ちょっと業界話】
上記では彫刻刀と述べましたが私達の業界ではこれを、印刀(いんとう)といいます。
購入するのは印材問屋さんですが、扱っている業者さんは以前と比べて激減しています。
逆にいえば印刀ではんこを彫れる人が少ない事が現実なのです。
そういうふうに考えるとネットでは、【手彫り印鑑】【手仕上げ印鑑】と謳っている店が星の数ほどありますが、
不思議に思うのは私だけでしょうか・・?(笑)
なぜなら、【手彫り印鑑】や【手仕上げ印鑑】というのは印刀がつかえる人にしかできない技術だからです。
金沢市のはんこ屋と無資格者が彫ったハンコの違いです
ここでは2文字の印鑑を例にあげて説明させていただきますね。 彫ってある文字は塩屋、書体は篆書体になります。
この中には私が彫った物があります。「お解りいただけますか?」 それでは、一つずつみていきましょうね。
先ずは1の印鑑です。パッと見た印象が文字の太さと、ワクの太さが同じになって見えないですか?
篆書体の場合は文字が太い場合にはワクが細くなりますし、逆に文字が細い場合はワクが太くなるという決まりがありますので、この場合その基本的なルールからはずれたものになっています。
また、塩と屋も文字が両方とも空間があり過ぎてみえませんか? 次に、2のハンコを見てみましょう。第一に、ワクの太さが一定ではないですよね。
右のワクと左のワクの太さをよ~く見て下さい。 違いがお解りになるはずですよ。もう1点は文字がゴシック体のようにガチガチしていませんか・・・?
最後は3になりますが、筆で書いたような強弱が、お解りいただけないでしょうか・・・・? (私が彫ったのは3になります。自分の名前は難しかったです・・・)
ネット通販はもちろん、新聞や雑誌などで激安の印鑑が販売されていますが、そのほとんどが上記の1、2に相当するはずです。
なぜなら繰り返すようですが彫刻刀を使用できない、つまり無資格者(パートやアルバイト)による回転率だけを重視した ナガレ作業による仕事だからです。
オリジナルの印鑑を求められるのなら、やはり1級印章彫刻技能士の印章店でご注文される 事をお薦めいたします。
はんこを買う時の注意点
はんこ屋は沢山存在しますが、金沢、石川県内で実際にはんこを彫れる方は何人いらっしゃるかご存じですか?
何を基準にその店がはんこ屋なのか・・・街中やネットショップでは星の数ほどございますが、 印章店は特に資格がなくても誰でもできるわけです。
思いついた今日から「あっ!そうだ!ハンコ屋をやろう」と思って実行に移せばこれをご覧に なっている、貴方も今日からはんこ屋になれます。
ただ、開店して○○はんこ店とか看板を掲て実際にお客様がご来店したとしても困る事が発生します。
それは簡単です、徹夜で頭にいれた知識はあっても、【はんこを彫る技術】がないという事です。
技術は1日ぐらい徹夜してもとうてい身につくものではありません。(何の技術にしてもそうですよね)
ところが、どうでしょう・・・? 特に、ネットで【はんこ】と検索してみてください。ものすごい数の店が表示されませんか?
もちろん、この中には何代にもわたる店もあれば、昨日、今日、脱サラで開店した印章店もあるはずです。
そんな形で開業された印章店は、1、フランチャイズに加盟する。2、下受けに仕事を出す。3、自力で設備投資レーザー彫刻機(ロボット)ではんこを作成する。
おおかた、この3つにわけられます。ただ、ここで注意していただきたいのは、1、2、3、のどれであっても、できたものをそのまま右から、左に 販売するだけのことです。
(ハンコを彫る技術を取得していないので、それはそれでいいのですが・・・・)
つまり、最初に戻りますが、街中で「実印○○分でできます!」とか、ネットで「印鑑当日発送!」と謳っているのは程んど この形態です。
私が見ても「そんな値段じゃ無理、無理!(笑)」って感じです。
こういう業者が作成するはんこは、市販で販売されているような仕事(みんな同じ)なので、「安い!」と思って特したと 思っても、見た目が同じはんこが、出回っているという事です。
そこで、ネットや街中でも、もし印鑑をどこで購入しようか迷われた時には下記の事を参考にしていただければ、何かの役に立つと 思いますよ。
(良いはんこ屋の選び方)
1、国家検定・1級印章彫刻技能士を取得者が彫っている印章店
※ 認定書(表彰状)が店頭にありますが解らなければ直接聞くのもいいですよ。
2、注文の際、はんこの文字をお客さんの目の前でラフデッサンできる店
※ハンコの文字は書けるので店主に求めて下さいね。
3、印章業界での競技会作品がある店
※店頭に飾ってあると思います。