技の競い合いで生まれた開運印鑑、吉相印の書体だったはずが・・・

おはようございます。 石川県金沢市の はんこ 屋・塩屋です。

金沢の南部に実店舗があるので、お陰様で野々市市・白山市・能美市・小松市からもご来店いただいています。

さて、お客様のご要望で「縁起の良いハンコにしてください」と頼まれることがあります。

私もお客様の立場でしたら当然そうなると思います。

おそらく、字画や生まれ年を鑑定する開運印鑑や吉相印の事をおっしゃっているのだと思いますが、実はこれ、元をたどれば私の父の時代、つまりPCが存在していない頃に1級技能士の中で技を競うために生まれた一種の創作書体なのです。

印鑑の書体には、楷書体・行書体・草書体・隷書体・古印体・篆書体と6つになりますが、この中で主に篆書体が用いられます。

今でこそ誰でも開業できる職業になりましたが、当時は上記の書体で彫刻技術を学ぶため「丁稚奉公」「徒弟制度」は普通でした。

数年後の修行を終え彫刻技術を得た後に、国家認定の1級印章彫刻士の方々が自身の技を競うために生まれたのが、「九星気学」を基にした、八方印相体・開運体・印相体とよばれるものです。

ただ、ここでご注目いただきたいのが、あくまでも1級技能士’(完全手彫り技術者)取得者が前提である書体ということです。

今では「あんたの名前は、ここをこうしておけば運勢がよくなるよ!」と誰でも簡単にロボットで「ザ~」と出来てしまいます。

胡散臭い業者も多いのも事実ですので、くれぐれもご注意くださいね。