こんにちは、金沢のはんこ屋、塩屋です。
今日の金沢は曇ってはいますが1月の下旬としては、少し大げさかもしれませんがわりと温かいです~
さて、午前中はゴム印を作成して午後からは週明けに備え※印刀(いんとう)【※印鑑を彫る時の彫刻刀です】 を研ぎました。
先日、黒水牛の印鑑を数本彫った際に1本刃こぼれしたので、これを機会に全て研ぐ事にしました。
「これが、けっこう時間のかかる作業なのですよ~・・・・」
大工さんの道具に例えるならカンナとかノミに相当するハンコ屋にとってはとても重要な道具です。
「これがないと印鑑は彫れないわけですから・・・」
一本、一本、刃先を合せるわけですが、自分の思った角度にならないと荒い砥石(といし)で研ぎ直す事になります。
「とても地味な作業です・・・・」
以前もこのブログでお話したかもしれませんが、我々の業界には国家認定1級印章彫刻技能士の資格者が大勢います。
この方々は皆さんがご自身でこの彫刻刀を研ぐわけです。 この事は、当然の様に思われるかもしれませんが、実は一切この彫刻刀を使用しなくて印鑑を手仕上げ印鑑と謳っている業者もいるようですね。
「とくにネット販売では、人の手を一切加えなくても手仕上げ印鑑となっている事でしょう・・・」
私の見解では、早い!安い!とうたって回転率(薄利多売)の業者は殆どがこれにあてはまると思います。
「そんなに沢山早く彫れるはずがないですし、何十人も職人かかえては、人件費がでないでしょう。」
と いうのも、この印刀を研ぐ作業こそが私がこの業界に入って一番先に教わった事なのです・・・
「横浜にある印章高等職業訓練校で教わりました。 もうずいぶん昔の事ですが・・・・(笑)」
砥石を水に濡らし彫刻刀を研ぐわけですが上手くいかずに指先の皮がむけ、血を流しながら研いでた事が今となっては懐かしいです・・・。
実際、この作業ができる方も少ないはずですし、彫刻刀すら扱っていない問屋さんもあるくらいです。(時代の流れですね・・・)
1、【手彫り印鑑】(全て人間が彫る印鑑) 2、【手仕上げ印鑑】(要の部分は人間) 3、【ロボット彫刻印鑑】(人間の手はゼロ) と3つに別けられますが、3を2と謳っているのが、殆どだと思います。
そう考えると、印艦をお求めの際には 「はんこを彫る、彫刻刀(印刀)を見せて下さいよ~」 と もとめてもいいかもしれませんね!(笑)