こんにちは、金沢のはんこ屋・塩屋です。

昨日、北陸地方の梅雨明けが発表されましたが、今日は雷鳴が響きわたり時折土砂降りになっています。

さて、あなたも通販でハンコを購入する・しないに関わらず、はんこ屋のHPをご覧になった事はありませんか?「沢山のサイトがありますよね!」

値段や納期はピンキリですが、私がターゲットキーワードにしている「手彫り印鑑」についても同じことが言えます。

「完全手彫り印鑑」や「手彫り印鑑」など言い回しは色々ですが、これはどちらも同じ意味です。

ただ、「えっ??」と思うのは明らかに「これ嘘でしょう!」というサイトが多いことです。

その前に手彫り印鑑の定義を説明させていただきますね。

印材問屋さんから仕入れた印材(店頭に陳列してある印材)は彫刻部分は歪んでいるので、先ずこれを「平ら」にしなければなりません。

専門用語で「印面調整」(いんめんちょうせい)というのですが、これが手彫り印鑑の出発点になります。

サンドペーパーを用いて平らにするのですが、なかなか時間がかかる作業であります。

平らになった印材にの表面に「朱墨」をぬり、そこに彫刻文字がバランスよく収まるようにコンパスで「字割(じわり)」をします。

例えば、彫刻文字が4文字の場合は四角いマスを4つ書くのですが、文字の画数などによってこのマスの大きさも調整しなくてはいけません。

次にそのマスの中に彫刻文字の下書きをしておおよその「アタリ」をつけます。

そして文字を書く作業にかかることになります。この作業は私は小筆で書くようにしています。(ここでは左右反対の文字を書きます)

一通り文字を書き終えると、鏡でバランスよく収まっているいるかを確認します。

確認後、いよいよ彫刻作業にかかります。ここで用いる彫刻刀は専門用語で「印刀」(いんとう)といいます。

刃金は印材問屋さんから購入しますが、「刃」は自分で砥石で研いで作ることになります。

この道具を用いる事ができなければ印鑑を彫る事が出来ませんが、このご時世扱える人は少ないのは、それに至るまでの時間がかかるからです。

前述した印材に書いた文字の周りを一定の深さで彫るわけですが、これを専門用語で「荒彫り」(あらぼり)といいます。

それを終えると「仕上げ」(しあげ)作業にかかるのですが、ここでは文字の太さや強弱といったデリケートな部分を「印刀」でつくることになります。

仕上げ作業を終えれば捺印するのですが、ここでも微調整が必要になります。

これを「補刀」(ほとう)といいます。 これらを全て終えて完成となるわけです。

用いるものはサンドペーパー、字割具、朱墨、硯、墨、小筆、印刀といったふうに全て完全手作業になります。

思いつくままに書いたのですが、これが「完全手彫り印鑑」に必要な道具や作業手順になります。

HPではタイトルにこの「手彫り印鑑」のテキストさえ入れておけば、購入なさる方(あなたも含めて)は、おそらく信用なさるかもしれませんが、「あなたの印鑑はこうやって彫らせていただきました。」といた証拠をつけている業者は殆どと言っていいほど見かけたことがありません。

「早い・安い」は具体的かもしれませんが、「手彫りの印鑑」となると抽象的ですよね・・・・

何を根拠に「手彫り」なのか・・・購入なさる際は慎重になった方がいいと思います。

 

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