おはようございます。 金沢のはんこ屋・塩屋です。
今朝は曇りながらも陽が差す穏やかな日になりました。
さて、あなたが路面店でハンコを購入される時には色んな印材を目にすると思います。
手に取ってご覧になればどの部分にご自分のお名前が彫刻される事にお気づきになると思います。
ここで気をつけて欲しいのは、平らに見えているハンコの表面は全て歪んでいる事です。
「えっ! そうなの?」と思われるかもしれませんが、そのままの状態でそこに文字を彫るわけではありません。
実店舗ではお客様から「他店で作ったハンコが綺麗に捺せないのですが・・・」と聞く事もありますよ。
ちなみに、ハンコが完成するまでの過程にはいくつもの手順がありますが、その手順の一番最初がその(ハンコの表面)を平らに擦る事なのです。※専門用語になりますがこれを印面調整(いんめんちょうせい)といいます。
実はこの工程を省いている業者さんが多いのは意外と難しい作業だからです。(彫刻面を平らに削るロボットもあるほどですから)
一言でサンドペーパーで擦ると言っても水平垂直を保たないといけません。案外、難しいものです。
特に黒水牛や牛角(旧称:オランダ水牛)などは中心部分が凹んでいるので平らにするまで時間を要します。
私の場合は最初に目の粗いサンドペーパーで少しづつ擦り、程よくなれば粒子の細かなもので真っ平にします。
それで初めて彫刻面に文字を書く作業に入れるわけです。 小さなハンコかもしれませんが、あなたにとって永く使用される大切なものには間違いないはずです。
どんな仕事でも完成に至るまでには細かな手順が沢山ありますよね。その一つ一つが大切な作業です。
「はんこの彫り直しでは彫刻面を平らにする手順も作業工程書に記載」