こんにちは、金沢のはんこ彫刻士、塩屋です。

ここ2~3日、天気の良い日が続くので助かります。

さて、あなたが印鑑が必要になった時、通販で購入する場合を除いて おそらく近所のはんこ屋か量販店に行くのではないでしょうか・・・?

その際、陳列ケースには印材が沢山ならんでいますよね。 ツゲ、黒水牛、牛角そして象牙などなど・・・・

手に取ってご覧になると当然ですが、彫刻面にはまだ文字は彫刻してありませんよね。

この文字を彫刻する部分を専門用語では印面(いんめん)といいます。

実はこの印面は印材問屋さんから仕入れた直後は全て歪んでいるのです。解りやすく言うと凹んでるか、ふくらんでいます。「ご存じでしたか?」

つまりこのままの状態で彫ってしまうと、凹んでいれば 捺した時にはワクは映りますが、中心部分が映らない事になりますし、ふくらんでいればその逆になります。

私は お客様から印鑑(実印、銀行印、認印、会社印)のご注文を承ったら先ずこの印面を平らにする作業から始めます。

この場合、サンドペーパーで削るというか、こする様にしてマッタイラにするわけです。

たまにですが、お客様からこういう事を聞きます。「買って間もないハンコなのに綺麗に捺印できません・・・・」

全部が全部というわけでもないと思いますが、おそらく印材の彫刻部分を平らにすることなく仕事にかかる業者がいるのでしょう・・・・

「どうして・・・?」 と 思われるかもしれませんが、この作業(印面を平らにする事)は案外難しいものなんですよ。

そして、上記のような仕事をしてしまうのが、無資格者(素人)の方々なのです。

先の投稿でも述べたように「早い!安い!」で できてしまう印鑑はどこかでコストカット(この場合は時間短縮)しなくてはいけません。「そうでもしないと利益がでませんよね。(笑)」

一言でハンコといっても完成に至るまでにはいくつもの作業工程があるわけです。

上記の作業工程ができてこそ印章彫刻技術(文字を書く作業も含む)にかかれるわけです。

今回は※ 印面調整(いんめんちょうせい)という作業だけ説明させていただきましたが、お解りいただけましたでしょうか・・・?

「ここまでお読みいただきまして ありがとうございました」

※ 印材の彫刻部分を平らにする作業をいいます。