こんにちは か、こんばんは の、どちらで挨拶するか迷いながらこれを綴っています。
この時間、金沢は真っ暗です・・・11月ですね・・・
さて、先日 女性の方からハンコの彫り直しを承り完成した印鑑を本日お渡ししました。
一言で 【ハンコの彫り直し】 と いっても、おそらく完全に手作業(手彫り)ができる印章店は極々僅かでしょう・・・
このご時世、印鑑に限らず何でもロボットでの流れ作業が殆どです。(もちろん、良いとか悪とかではございませんよ)
今回お預かりしたのは、きめ細かい象牙の素材です。ご存知の通り、とても強度な印材です。
印章業界には 【面擦り機】 と いってハンコの彫刻部分を削る機械があります。
この業界の展示会で見た事はありますが、私は使用していません。理由は必要ないからです。
ちょっと想像して欲しいのですが、ホームセンターに行くとサンドペーパーがありますよね。(紙やすりともいいます)
手に取ってみると、きめの細かいツルツルした物もあればザラザラした物があります。私はこれを使用します。
ハンコの彫り直しを承った際に当然ですが彫刻してある部分を削る事になります。
私はおおよそ3段階ぐらいに分けてこれを削る事にしています。
最初は思いっきりザラザラしたサンドペーパーで大まかに削ります。
この段階で殆ど平らにするのですが、削ったハンコの表面がザラザラしているので、次に少しだけザラザラしたサンドペーパーでさらにこの表面を削ります。
そうすると、削った印材の表面のザラザラが解消されます。そして最後に使い古しのサンドペーパーを使用します。
この段階では削るというより、印材の表面に光沢を出すような感じになります。ここまですると新品の印材とほとんど変わらないくらい平になります。
以上が専門用語で 【印面調整】 (※ いんめんちょうせい)といいますが、実はこれができない印章店が沢山あります。
できないから前述した 【面擦り機】 が必要になるわけですね・・・・でも、これはあくまでも削るだけの機械であって、平になっているか微妙な部分(一番大切な部分)が解らないのです・・・
なぜなら、この機械を使用しているという事は素人さんだからです・・・(無資格者の方ですね・・・)
大切なハンコの彫り直しが無資格者による大量生産で同じにする仕事では残念だとは思いませんか・・・?
特に象牙の印材はデリケートですから完全手彫りで対応できる印章店に依頼されてはいかがでしょうか?