おはようございます。 金沢のはんこ屋・塩屋です。
今朝は曇り空で雨がポツポツと降っています・・・
さて、印鑑のご注文を受けて書体と共に重要なのがバランスのとり方です。
タテ形・ヨコ形・ナナメなど彫刻させていただく側はどれでも問題ありませんが、お客様にしてみると何らかのイメージがあると思います。
主に実印や銀行印は他人に判読される必要もないことからお札に印刷してあるハンコ(篆書体:てんしょたい)を用います。
フルネームや姓もしくは名で彫刻しても印鑑登録すれば実印ですし金融機関に届け出すれば銀行印になります。
したがって彫刻文字数が5文字、4文字、3文字、2文字、1文字と様々です。
フルネームで承る場合は姓と名で分け2行印に収めますが、彫刻文字が姓もしくは名のどちらかで3文字の場合はちょっと考えます。
画数の多い文字と少ない文字が混合している事があるからです・・・(汗)
ちょっと無理な例えになりますが、彫刻文字が「一太郎」さんだとしたらタテ形1行で納める手もありますが、あえて2行印で考えると①「一」「太郎」もしくは②「一太」「郎」になりますよね。
ただ、前述通りお札の書体を用いたとしたら「一」の字形は「一」なのです・・・(汗)「字形が変わらないですよね・・・」
つまり上記①で考えると「一」の上下にポッカリ余白が生じて整いません・・・
そこで②で想像すると「一太」で1行にするので余白はある程度回避できる事になります。
そんなわけで②の方が自然に収まると思います。
「それじゃ彫刻文字が「雄太郎」だったらどうなるの?」 と、つっこまれそうですが(笑)、この場合はさすがにタテ形1行では無理があるので私だったら2行印で考えます。
①「雄」「太郎」もしくは②「雄太」「郎」のどちらが整うと思いますか・・・? 結論から言えばどっちでも良いと思います。
ちなみに、この場合は「太」の文字を(雄か郎)のどっちに着かせるか考えるのですが、雄・郎は共に篆書体にすると画数の多い字形が存在します。
したがってバランスはどちらでも整いますが、ただ、ぱっと見の「好み」となると話は違ってきますよね・・・
実際、実店舗で承る際、筆ペンでササっと草案を2個書くと、お客様は必ず「こっちでお願いします!」と自信満々な表情で即断されます。
気持ち良く永くご使用いただくためにもバランスについてはお客様の好みで良いと思いますよ~