こんにちは、金沢のはんこ屋、塩屋です。
今日の金沢市は清々しい快晴でした。春はいいですね~~!!
さて、先ほど電話で ※改刻(かいこく:現在お持ちの印材を彫り直す事をいいます)のお問合せをいただきました。
電話の向こうで 「手元に2本の象牙があるんだけど、彫り直すといくらになりますか?」との事・・・・・
この場合、注意しなくてはいけないのは直径と彫刻する文字数、そしてそれを削る必要があるかどうかになります。
象牙の特徴として非常に硬い点があげられます。したがって、彫刻部分を削って綺麗な平らにするには、これだけで相当な時間を要します。
話は少し変わりますが、私の知る限りで言えば 現在 石川県で1級印章彫刻技能士を取得され、しかも完全に手で彫れる方は、おそらく5人未満だと思います。
殆どが無資格者の業者という事になりますね。私の言いたい事は、この既に彫ってある部分を平らにするには、「サンドペーパーで削れるかどうか・・・」 と いう点です。
と、言うのも 印鑑を彫る場合に、※印面(いんめん:彫刻する部分をいいます)を先ず※印面調整(いんめんちょうせい:彫刻部分を平らに削る作業)を要します。
象牙(黒水牛や牛角も含む)には線維質がありますので、私の場合はこれを少しずつ削るためサンドペーパーの【メ】の荒い方から徐々に細かなものを使用し、平らにします。(最小限の長さを削るためです)
これに対し、無資格者はロボットで一気に平らにします。(これは早いですが、線維質を余計に削り過ぎる場合があります。つまり、必要以上に短くなってしまう恐れがあります)
また、象牙については、1、印材に文字を書いた写真、2、彫刻刀で彫った写真、3、彫刻刀で文字の太さを整えた写真(合計3つ)を添付する事もできます。(完全手彫りを客観的にご覧いただけます)
一般の方は値段と納期だけで判断されるのは当然の事ですが、大量生産と同じ仕事内容で仕上がった印鑑と完全手彫りでのオンリーワンとの違いは細かな部分で異なるわけです。